9月1日(水)
以前から持っているM42プラクチカスクリューマウントレンズ(探せば7,8本はあるはず)の中からロシア製レンズを3本選んで順に紹介します。
今回は HEIRIOS44-2 F2 です。
「ぐるぐるレンズ」として有名なオールドレンズで、世界的にM42マウントのカメラがつくられ、日本ではPENTAXが採用していたこともありロシア製(当時はソ連)のレンズも細々と輸入されていたようです。1960年代後半から70年代にかけてNIKONやCANONが高くて買えない時代にPENTAXはリーズナブルな価格で、当時の貧乏学生にもかろうじて手が出る一眼レフでした。
しかしPENTAXがM42からKマウントに移行し、カメラから離れてビデオに凝り出した時代、M42マウントレンズは一気に値崩れして粗大ゴミになってしまいました。その後AF化が進み電子接点の無いレンズは見向きもされずカメラ店のジャンクコーナーに放置されていました。
デジタル時代にミラーレスが出現してマウントアダプターでこういうレンズが使えるとわかると 収差とフレアとゴーストだらけの寝ぼけたレンズが「オールドレンズ」というカテゴリーに収まり市民権を得るようになりました。
01:当時のPENTAX SVです。
02:SONY α7C と3本のロシアレンズ。手前がHELIOS44-2
HELIOS44シリーズはたくさんありますが有名なのがこれです。主に非点収差によって同心円状の口径食が出現し「ぐるぐるレンズ」の愛称?が生まれました。
03:レンズに M42→Eマウントアダプターを取り付けたところ。絞りリングと絞りが逆になっていますがこれはストッパーの役目をします。プリセット絞りのためのモノで、絞りリングがまわるのが渋いと固定されているように見えてなかなか気がつきません。
04:8桁の数値が彫られていますが、最初の2桁が製造年なので1982年製とわかります。絞り羽根は8枚、一度清掃したのか油がありますが撮影に影響はありません。
05
実際に撮影してみます。収差チェックのためなので夜景を撮ってみました。
06:絞り開放F2.0でピントを合わせています。右上方を等倍にすると
07:コマ収差もあって赤いビルの標識が伸びています。
08:ピントをずらすとレモン型の口径食が出現します。レモンが同心円になっているのがわかります。清掃して再組み立てがダメなレンズはここでわかります。
09:F5.6に絞ってもあまり改善されません。
10:F5.6の口径食 絞りが円形に近いので玉ボケのままです。
11:F11
12:一応8角形にボケますがグルグルはわからなくなります。
このてのレンズでポートレートでも撮れば面白がる人はいるのだろうとは思いますが、あまりやる気にはなりません。まあそれでも一度くらいはやってみようか・・・と思いつつ一度もやったことがないw
5月16日のブログに書いています
ロシアレンズ JUPITER-37A 135mmF3.5 - Nekonta Photo Gallery (hatenablog.com)
3月29日のブログに書いています
MC Volna-9 50mmF2.8 その1 - Nekonta Photo Gallery (hatenablog.com)
ねこんたフォトギャラリー