LEDのフリッカー現象

フリッカー現象とは光の点滅のことで、蛍光灯やネオン光源など交流電源で発光する物体を撮影すると現れる縞模様のことです。交流は東日本では50Hz,西日本では60Hzなので点滅間隔はそれぞれ1秒間に100回と120回です。かつてのブラウン管式テレビなど走査線を用いた光源でもリフレッシュレート(垂直同期周波数)によって出現します。

そのため蛍光灯下で写真撮影する場合はそれより長いシャッター速度が必要で実質的に1/50秒程度のシャッター速度が必要でした。フリッカーは普段気にならなくても状況によっては体調を崩すきっかけになります。

点滅自体は避けられないもののより高速にして連続点灯に近いものにするのがインバーターで蛍光灯のグロー管を電子式にして点滅を数万回以上にしています。

ブラウン管から液晶ディスプレイになり液晶自体は点滅しませんが、バックライトにLED+PWM(パルス幅変調)方式を使っている場合には発生します。

21世紀になり人工光源は徐々にLEDに置き換わっていきました。交流電源を使ってもスタティック点灯という方式を使えばLEDには点滅はありませんが、電力消費を抑えるためダイナミック点灯とよばれる点滅方式を使えば点滅します。

 

手持ちでイルミネーションを撮れば手ブレを防ぎたいのでできるだけ高速シャッターを切りたいと思うのは誰しもですが、高速シャッターで撮ればLEDのフリッカー現象に出会ってしまいます。下の例ではダイナミック点灯を行っていてパネル毎の発光タイミングが異なりシンクロしていませんからマダラになります。

01:2024年 ルミナリエ2024 SONY α7C+ZEISS Batis2.8/18+Blackmist SS1/1250 だと欠けたパネルがあります。

02:SS1/160 なら多少の濃淡はあってもなんとか妥協できる程度には写ります。画像編集すれば修正可能なレベルです。

03:2015年のルミナリエ 天井パネルの一部が発光していません。SS1/400

04:同じ場所で左側が発光していません。SS1/400

05:SS1/500 発光していない部分が影のようになっています。

06:SS1/125 このあたりまでシャッター速度を落とせばフリッカーは確実に消えます。シャッター速度優先モードかMモードでシャッター速度固定、あるいはプログラムオートでその都度調整といった使い方になります。各地のLEDを使ったイルミネーションでもこの程度で撮らないと安心できません。

 

 

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